永井一正氏(86)「展開力まで考えると、佐野さんのデザインが圧倒的だった」 – 東京五輪エンブレム問題をまとめてみる 後編

   2015/09/09

疑惑の東京五輪エンブレム

前回のエントリ → 佐野氏HPでコメント発表「これ以上人間として耐えられない」 – 東京五輪エンブレム問題をまとめてみる 前編

104点もの超一流デザイナーの作品の中で「圧倒的だった」とされる佐野氏の「原案」

前回のエントリで語った通り、ワタクシは個人的には「佐野氏のエンブレム(決定案)でいいじゃん」と思ってました。

例の「原案」が公表されるまでは。

佐野氏の原案これ、どう思います?

審査員代表を務めた永井一正氏いわく「佐野さんのデザインが圧倒的だった」というデザイン。

UKPはデザイン業界の人間ではありませんし、デザインは好きなだけで素人ですが、個人的な意見を書かせてもらうと、

…あ、ありきたりじゃないコレ?

そう思ったの、ワタクシだけじゃないと思うんですけど、有名デザイナーの審査員方にはこれが圧倒的に優れて見えるんでしょうか。

そんじょそこらのデザイナーでは参加すら許されない、2020東京五輪 エンブレムデザインコンペ。

なんせ、今回のコンペ、参加資格からして非常に狭き門なんですよ。

応募資格があるのは、東京ADC賞やTDC賞、ONE SHOW DESIGNなど組織委員会が指定した国内外の7つのデザインコンペのうち、2つ以上を受賞しているデザイナー。

引用:Fashionsnap.com News

こんな厳しい条件をクリアした当代一流のデザイナーたちが、渾身の作を104点も持ち寄ったんですよね。

で、「圧倒的に」選ばれたのが、

佐野氏の原案

コレ。この「T」の字。

失礼ですけど、コレ呼ばわりしちゃいますね。

で、コレがあまりに圧倒的だったから、商標的に問題が出てきても、この案を修正して使いましょうとなったんですよね。

いやいやいやいや、そんなアホな。

コレが圧倒的なら他の103点はどんだけダメなんですの?

日本のデザイン界、大丈夫か? と本気で心配になってしまいます。

心配になってしまいませんか?

エンブレム決定会見のときの説明と矛盾する「原案」

さらにはこの「原案」、エンブレム決定会見や、リエージュ劇場のロゴとの類似性を指摘された際の反論会見での佐野氏の発言と矛盾するんですよね。

まずは、日の丸(大きな円)の有無。

会見などで佐野氏は、1964年の東京オリンピックでの亀倉雄策氏の仕事を非常にリスペクトしており、今回のエンブレムでも「Tの中に日の丸ができるのではないか」というのが発想のスタートだったと語っています。

しかしこの原案、Tの左右が三角形になっているため、中央に「日の丸」はまったくイメージできませんよね(下記参照)。

エンブレムの設計図

また参考にしたというフォント「Didot」「Bodoni」は、Tの左右がラウンドしていますので、このエンブレムのように三角形にはならないはず(下記参照)。

参考にしたフォント

そして「圧倒的」と評された展開力について説明した「佐野フォント」の資料は、修正後のラウンドしたパーツを使っています(下記参照)。

佐野フォント

これも原案とは矛盾しますし、このフォント自体、問題が起きた後に作成したのでは?と疑われても仕方ないのかなと思います。

要するに、この原案が出てきちゃったことで、コンペでの選考そのものが疑わしくなってしまった。

佐野ありきだったんちゃうんかと。

博報堂に五輪関係の利権を流すための陰謀?

なーんて陰謀論が出てきてしまうのも無理もないというものです。

ttp://zhao.jugem.jp/?eid=904より
>東京五輪ロゴのデザイナーをめぐる最大の疑惑は別のところにある。
>デザイナーの佐野研二郎氏は、実は、国立競技場でミソをつけたスポーツ振興センター
>(JSC)の職員の親戚なのだ。この職員は河野一郎JSC理事長の右手と言われる。

佐野研二郎(元博報堂、「MR_DESIGN」、グラフィックデザイナー、多摩美術大学教授)

兄:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課長【佐野 究一郎】

JSC理事長 河野一郎の右腕で佐野研二郎の親戚:日本スポーツ振興センター【佐野 総一郎】

経産「博報堂よ。デザイン料多めに払うから、五輪商標管理で天下り〇人引き受けてや」
博報「OK。ほな、受賞者はいつもの佐野さんトコの弟にするわ」
経産「そやな。佐野の弟なら、JSCにも親戚いるし、話がツーカーや」
博報「経産よ。お主もワルよのう・・」

引用:NEWS まとめもりー 佐野研二郎の兄・佐野究一郎と親戚の正体がヤバすぎる!!!?デザイン業界の裏側がとんでもないことになっていた!!!【画像あり】

この陰謀論については、下記の元博報堂の方のブログで非常に納得しましたので、ありえないかなーと思いますが。

【1】:博報堂が莫大なる利益を五輪からあげようとしている

まず、これについてですが、ハッキリ言って、博報堂は五輪には関与できません。なぜなら伝統的に五輪は電通が仕切ることになっているからです。五輪のスポンサー集め等にしても、一切博報堂は関与できません。よって、「エンブレムによって得られる200億円の利益を佐野研二郎と博報堂が折半する」という説もあったりはしますが、そんなことはありません。

【2】:東京五輪エンブレムの選考委員が博報堂関係者だらけ→つまりデキレースである

要するに、「有名デザイナーに博報堂出身者・関係者が多い」ってことだけなんですよ。それでいて、五輪に関しては利権は一切ないことを明記しておきます。あとは、辞めた人間に対しては「おぉ、お前、食っていけてるのか? 儲かってそうだなぁ」みたいな呑気な態度で接してきます。なお、デザイン業界は狭いムラ社会なので、トップクラスは知り合いだらけです。その時に「電通出身」「博報堂出身」とかはもはや関係なく、クソみたいな上流階級ハイソ社会が展開され、私などうんこ食ってろ、と言いたくなるほどです。

引用:僕と花子のルンルン生活だヨ! 博報堂が五輪関係で持っているとされる「利権」とやらが一体なんなのか実情を書いておくか

関係ないけどこの方のブログ、めちゃ面白いですねぇ。

東京五輪エンブレム騒動のおかげでいいブログ見つけちゃった。

佐野氏のやった「最大の」悪いことは?

結局のところ、佐野研二郎氏のしでかしてしまった「最大の」悪いことは、

  • 国民が納得し、多くの人から愛されるデザインを、1発で出せなかったこと

だと思うんですよね。

要は実力不足だったと。

だから修正だなんだとややこしいことになってしまったのではないかと。

そして佐野氏に輪をかけて悪いのは、こんな不透明なコンペを行ってしまった組織委員会ではないかと。

こんなことなら最初からコンペなんてやらずに、佐野氏に指名発注でよかったんじゃないですかねぇ。

そうであれば原案から修正を経ての決定でも文句はないし、UKPは決定案は「アリ」だと思ってますから、素直に応援できたと思うんです。

ともあれ新たなエンブレムを公募するとのこと。

次はぜひとも、透明性を意識してコンペを行って欲しいものです。

それにしても…仮に今回のコンペが「佐野氏ありき」だったとしたら、そうまでして佐野氏に決めたかった理由ってなんなんでしょうね?

ホントに他の103点のデザイン案が佐野原案より「圧倒的にダメ」だっだとかいう理由だったら凹みますが…。

——————–

追記

上記「なんで佐野氏の案にこだわったの?」という疑問に対して、あるデザイナーさんが非常に納得できる記事を書かれております。

次回、佐野氏問題、個人的にはコレが真相! ? よくわかる、なぜ「五輪とリエージュのロゴは似てない」と考えるデザイナーが多いのか? にてお伝えしておりますので、併せてお読みください。

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