やがて、いのちに変わるもの。 – ミツカンの矜持を示したコーポレートスローガンがすごい!

   2015/09/26

食品を扱う企業の決意と矜持

ミツカンのグループビジョン・スローガン。

やがて、いのちに変わるもの。

 

ワタクシ、UKPの大好きなコピーのひとつです。

食品を扱う企業としての決意と矜持が表れた名コピーと言えるでしょう。

このスローガンは2004年のCI導入とともに使用され始め、その告知のためのCMも流れました。

当時は食品偽装問題が世間を騒がせていた頃。そんな中このスローガンは、食品を扱う企業としての決意を表明し、またその果たすべき役割(言い換えれば企業としての価値)を的確に表しています。

岩崎俊一が“見つけた”13分の1本

超大物コピーライター・岩崎俊一が手がけたこのコピー。

ミツカンのトップが並々ならぬ決意で社内改革を行おうとしていることを感じた岩崎氏が、「それならば言葉も思いっきりフルスイングしよう」と、避けられがちな“いのち”という言葉をあえて使ったこのコピーをぶつけたそうです。

そのとき13本の案を出したそうですが、一番選ばれてほしいと思っていたのが、このコピーだったそう。

以下に、東急沿線のフリースタイルマガジン『SALUS』の岩崎俊一氏によるエッセイで語られたエピソードを引用します。

僕はいつも言葉を探してきた。クライアントの想いを聞き、その意を受けて僕は考える。その結果を自分の胸の中で抱えながら、それをどう言えば、ユーザーに最も鋭く、最も鮮やかに伝わるのか。その言葉をひたすら探すのである。

例えばミツカンのケースである。ミツカンといえば200年を超える「お酢」のメーカーである。卓越した発酵技術を持ち、人々の健康への寄与を目標に掲げ、確かな実績を残してきた。この会社のスローガンをどうするか。

社長にもお会いした。峻烈なる覚悟を持って、自分たちが本分を社内外に伝えたいと考えている。それを受け止め、コピーライターとして究極の表現を探すモードが出来上がる。人によっての究極の言葉、それは「いのち」か。これを最大限に生かす言いようがないかと、その単語の周辺を粘り強く旋回するうちに、幸運にも「やがて、いのちに変わるもの。」というフレーズに行きあたった。今考えている想いピタリとはまると思った。この時の感触を思い出しても、僕は「作った」とは思えない。まさに探しあてたという感覚なのだ。

コピーは作るものではなく、見つけるもの。

これこそが、コピーライターの真髄と言えるのではないでしょうか。

 

次回のエントリでは、このスローガンと関連して思い出したある企業のパクリ疑惑(笑)について書いてみたいと思います。

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