おしりだって、洗ってほしい。 – 先行する他社製品を追い抜き、置き去りにしたコピーとネーミング

 

国産初の温水洗浄便座は、TOTO「ウォシュレット」ではなくINAXが開発した「サニタリーナ61」という事実

 

おしりだって、洗ってほしい。

いまや温水洗浄便座(洋風便器に設置して温水によって肛門を洗浄する機能を持った便座のこと)を示す一般名詞として定着した「ウォシュレット」。

この「ウォシュレット」がTOTOさんの登録商標だということは、割と知られていることだと思います。

では、初の国産温水洗浄便座を開発したのがINAX(現LIXIL)である、という事実は、意外に思う方も多いのではないでしょうか。

ワタクシはINAXの広報さんからこの事実を聞いたのですが、ものすごく意外に感じたことを覚えています。

調べてみると、確かに国産第一号はINAXさんでした。その名も「サニタリーナ61」。wikipediaから引用してみましょう。

温水洗浄便座は、アメリカで医療・福祉用に開発された。日本では1964年に東洋陶器(現:TOTO)がアメリカンビデ社(米)の「ウォシュエアシート」を輸入販売開始したのが始まりとされる。その後、ライバルの伊奈製陶(ina)[1]1967年に国産初の温水洗浄便座付洋風便器「サニタリーナ61」を発売(1976年にはシートタイプ(便座単体タイプ)の「サニタリーナF」を発売)、TOTOも1969年に国産化に踏み切った。

引用:wikipedia

ということで、国産初の温水洗浄便座「サニタリーナ61」は、1967年に登場しています。

では「ウォシュレット」はというと…。

1980年、TOTOは独自に開発を進めてゆき「ウォシュレット」の名称で新たな温水洗浄便座を発売した。このウォシュレットでは温水の温度調節、着座センサーの採用、さらにビデ機能の搭載などが盛り込まれ改良が年々進んだ。日本人の清潔志向の高まりとウォシュレットの積極的なCM展開が普及へと繋がることになる。

引用:wikipedia

1980年の登場ということで、INAXさんには実に13年の先行期間があったんですね。

名コピー×名ネーミングで13年のビハインドを瞬く間に逆転

ウォシュレット発売以降の快進撃は、もはや詳しく解説するまでもないでしょう。

1982年、当時のタブーを破ってゴールデンタイムに放映された印象的なトイレのCM。

コピーライターの神様・仲畑貴志氏の手による「おしりだって、洗ってほしい。」のコピーとともに「ウォシュレット」の認知は一気に広がっていきました。

「ウォシュレット」というネーミングも非常に秀逸ですから、名コピー×名ネーミングの破壊力は世間に相当なインパクトを与えたんですね。

80年代半ばには、INAXさんも「シャワートイレ」という商標を打ち出して対抗していきますが、ネーミングの完成度でもやはり「ウォシュレット」に敵わず…。今ではINAXさんや他社製の同種類のものも含め「ウォシュレット」と呼ばれてしまうという、なんとも皮肉な状況となっています。

さて、次回のエントリでは、「ウォシュレット」というネーミングについてもう少し取り上げてみたいと思います。

お楽しみに!

追記

「ウォシュレット」の名付け親も判明しましたよ!

ウォシュレット 天下を取ったネーミングの生まれ方

併せてぜひどうぞ。

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