文化を愛する日本、政治を重んじるアメリカ。人を豊かにするには、どちらが大切なんだろう?- 2015年度 新聞広告クリエーティブコンテスト優秀賞「偉人くらべ 」

 

難テーマのためか低調な受賞作。「視点」という視点で見てみると…。

「お金」をテーマに実施された2015年度「新聞広告クリエーティブコンテスト」

1,181の応募作品が集まったこのコンテスト、先日結果の発表がありました。

受賞作品の中でUKPの印象に残ったコピーを紹介したいと思います。

偉人くらべ

何をしているのかというと、日本とアメリカでお札になっている人物を比較しているんですね。

結果、「学者や小説家をお札にしている日本:歴代大統領をお札にしているアメリカ」という図式が成り立ち、広告の下の方のボディコピー

文化を愛する日本、政治を重んじるアメリカ。
人を豊かにするには、どちらが大切なんだろう?

につながっていくわけです。

作者のコメントには

たった3人しか選ばれない日本のお札の偉人達。
それは、今の日本を代表した価値観を凝縮した人たちだと思います。

そして、国が変わればその価値観も変わる、
という事に気づき対照的なアメリカのお札を選びました。

何が大切かは、人それぞれです。
ほぼ毎日何気なく使っているお札を見ながら、
自分にとって、日本人にとって、何が大切かを
考えるきっかけとなるような作品を目指しました。

とあります。

これぞ「コピーは視点」の最たる例でしょう。

デザイン賞に「視点」で劣るコピー賞作品

そういう意味では「コピー賞」を受賞した、この「オタク」という作品には疑問が残ります。

オタクいわゆる「オタク消費」が日本経済に寄与しているという視点は、現在では既にさんざん言われている常識のようなものです。

その常識を、ストレートに語っただけのコピーを指して

「コピー賞は視点がオンリーワンですね。オタクと日本経済の関係性を語るとは、ユニークだけど納得感のある広告です」(児島令子審査委員)

「コピー賞は、「オタク」を経済に大きく貢献する人たちと捉える視点がいいと思います 」(照井晶博審査委員)

と、大物コピーライターである審査委員の方々が誉めているというのは、コピーライター業界の危機的状況を表しているようでうすら寒い気持ちになりました。

現場にいたら、オタク消費の話ぐらい普通に出ますよねぇ?

視点という意味なら、デザイン賞に選ばれた「マネーゴーランド」の方が、よっぽどコピーライター的だと思います。

マネーゴーランド

作者コメントを引用します。

お金というテーマを考えたときに頭に浮かんだのは、ニュースでよく耳にする横領とか強盗といったネガティブなものばかりでした。
だからこそ暗い広告にはしたくありませんでしたし、かといってキレイごとを言うほど世の中甘くはありません。
お金がすべてじゃないというのはみんなわかっているのですが、やっぱりあると気分が上がるし、ないと沈みます。
結局お金ってそういうものかなと思います。

浮き沈み=バルーンという表現もひねられていますよね。

いずれにせよ、テーマが難しかったためか、全体として低調な印象のコンテストでした。

次回のテーマは何になるか、注目したいですね。

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