世にも奇妙な物語「ハイ・ヌーン」はオリジナル版が一番だと思った話 – オリジナル版と和田アキ子さんが「男」役のリメイク版を観比べて

   2015/12/01

同じ「ハイ・ヌーン」でも、オリジナル版とリメイク版は目指すゴールが違っていた!?

リメイク版「ハイ・ヌーン」で男役に挑む和田アキ子

「世にも奇妙な物語」の中で、ワタクシの一番のお気に入りが「ハイ・ヌーン」というお話。

ハイ・ヌーン – Wikipedia

さる11月21日放送の『世にも奇妙な物語2015年秋~傑作復活編~』で、視聴者からの人気投票でみごと選ばれ、リメイク版が放送されたんですね。

主演の「男」役に和田アキ子さんがキャスティングされたことで話題になってましたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

当然ワタクシも放送を観ていたんですが、なんとなくイマイチで。

オリジナル版を観たときはもっとこう、「スゴイ作品を観てしまった!」的な興奮を覚えたんですけどね。

でもまぁ若いころに観た作品だし、オチも知ってるし、こんなもんかなぁと納得しかかったんですが、今日たまたまyoutubeでオリジナル版がアップされているのを見つけて、23年ぶりに観てみたんです。

そしたらもうコレが、上記のワタクシの分析など吹き飛ぶぐらいオモシロくてですね。

オチを知ってるとか関係ない。やっぱりあの時感じたことは正しかったんや! と思ったのでエントリにしてみようと思い立った次第です。

小さな演出のこだわりが、大きなクオリティの差になる

まずはオリジナル版をご覧ください。

では次にリメイク版。

いかがです?

やはりワタクシには、オリジナル版の方がよく見えてしまいます。

プロデューサーがまさかの作品解釈

この和田アキ子版、賛否両論あったようで、

 そんな『ハイ・ヌーン』のリメイクを、視聴者は一体どう感じたのであろうか。放送終了後、Twitterには、「ただ食べるだけなのに面白い」「なんかわからないけど、ヤバイドラマだった!」といった称賛する声が上がる一方、「リメイク失敗」「玉置版の方が100倍面白い」「ハイ・ヌーン劣化」といった声も噴出していた。

引用:cyzowoman

といった記事も。

ワタクシが感じたリメイク版のダメな点は、男の行為に勝手に巻き込まれていく周囲の心情の、盛り上がりの描き方と、男の「ヘンさ」の見せ方。

この作品の最大のポイントと言っていい「予定調和の破壊」を際立たせるためには、周囲が男とはまったく関係なく「勝手に」盛り上がっている様を、どれだけリアルに共感を持って描けるか?が大切になってきますし、周囲にまったく関係しようとしない男のキャラクターをどう伝えるかが大事です。

なのにリメイク版ではこの描写が非常に雑。オリジナル版と比べれば細部の演出の差は歴然としています。

その原因については、先ほど引用した記事の続きにハッキリと書かれていました。

「ネット上の意見は賛否両論でしたが、マスコミ関係者の間で話題になったのが、『なぜ、サラリーマン役に和田アキ子をキャスティングしたのか?』について。プロデューサーの後藤庸介氏は、サイト上で『「ハイ・ヌーン」はある平凡なサラリーマンが奇跡を起こす話です。寂れた商店街に現れたヒーローの物語なのです。そんなスーパーヒーロー(男)に、和田アキ子さん以外のキャスティングは考えられませんでした』と語っていますが、理由になっているような、いないような……」(同)

そう、驚いたことにプロデューサー氏は、この物語を「ヒーローの物語」だと解釈していたのです。

これにはさすがにズッコケましたね~。

そりゃ子役は横山歩くんになるわ…。

ワタクシの解釈では「男」はヒーローでもなんでもなく、クソ暑い退屈な夏の日に鬱憤を募らせた人々の、ある意味捌け口としての「祭(ハレ)」であり、そこに当然期待される「予定調和」的な物語(店主がお礼を言い、男はそれに対して自らの意図や因縁を語るなど)を、期待を最高潮に高めた上で気持ちよ~く空振りさせる被虐的なカタルシスこそが、この作品の本質だと思っております。

だからこそ周囲の人々の興奮の過程を丁寧に描くことと、自分の世界に没入している「男」の奇妙さをどう描くかが、非常に大切になってくるんですね。

ただまぁ解釈が違う以上、どちらが良いとか悪いとかの議論は不毛というものでしょう。

目指すゴールが違うと、同じストーリーでもここまで違うものになるんですね、ということで。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。